このネオンサインを形どったコンクリートの塊は本来の光をまとったそれとは別の存在感を放つ。街の夜に人々を照らすネオンと常にその光の背景に佇むコンクリートの重み、湿りは”街”の存在の象徴であり、この作品はそれら象徴の再構成された物体でありまた、アーティスト自身の感覚における別世界的な街として存在する。

日本語で表記されたネオンサインの文字は日本語における発音から構成されたアーティスト自身の名前であり、すべての名前の綴りは意図的に本来の表記とは全く別のものである。これはグラフィティーの表現における強い意思表明、して匿名性の高いそれぞれのアーティストの集合体、それと同時に彼らもまた街の一部として溶け込み、ふとした時に人々の目に強く刻まれる特殊な個性主張の象徴である。


メディアインスタレーション (2018)

500mm × 300mm
コンクリート　ファインバーグラス　鉄